裁判員体験記その4

 大分放置してしまった。というわけで裁判員裁判の感想ですが、とりあえず個人的には大変楽しかったといったところ。やはり裁判のシステムを勉強するなら実際に体験じてみるのがイチバン、ということで事前に期待した通りいろいろ楽しく学ぶことができました。被告の状況についていろいろ議論しつつ量刑を決めるというのはなかなかやりがいのある仕事だったようで、他の裁判員も今回の仕事に対しては満足していたようです。
 ただ、だからといって僕が裁判員制度に賛成かというと全然そんなことはなかったり。基本的に僕は「裁判官だってちゃんと人格を備えてるわけで、だったら市民感覚という一点で素人を参加させるより、それに加えて知識もあって冷静な判断を下せるように訓練された裁判官で判断させたほうが合理的」という立場だったので、今回の体験で逆に裁判官の3人がちゃんと立派な人間だったということを確認して「別に市民いらなくね?」という意見が補強されることに。まあ勿論アレな裁判官もいるとは思いますが、それは裁判員も同じなわけで。
 法務省のアンケート結果とかを見るに、実際に裁判員を務めた人の大部分がそれに対して満足しているというのは僕が体験した裁判だけに限らないようですが、それを裁判員制度の肯定材料にするのはどうかなと。一生のうちで裁判員をやる人なんて数%に過ぎないので、あくまで裁判の質がどうなるかということで議論すればいいと思います。
 まあそんなわけで裁判員制度は反対だけど、また裁判員出来るとしたら大歓迎なので当選しないかなー。楽しく5日間過ごして1日あたり9000円(+交通費)のバイト。次回やるとしたらもう少し血生臭いやつがいいな。現住建造物放火は無期懲役があり得るから裁判員裁判になるわけですが、実際は量刑の幅が広すぎて求刑がそこまでいくやつはごく一部で、「裁判員裁判になるか否か」という点を考慮した分類になってない感じ。