剱岳登山2日目

 朝3時に起きて朝飯のカロメを食べていざ出陣、と思ったら詰めといたハズのコンタクトレンズがねえ!いつもチャリ旅行とか登山とかのアウトドアをする時だけはコンタクト使ってたわけですが今回はメガネかあ。メガネだとたぶん両目で0.5ちょいとかそんなもんしか見えてないので植物索敵能力が大ダウン。

登山口。試練と憧れ。
本日の早月尾根〜剱岳〜剱沢キャンプ場のルートはコースタイム11時間とかなり長めで、テント道具ほかアタックザックを背負った状態でこれだけの距離を歩くのは初めて。というかコースタイム11時間というのがそもそも2年前ヒロセさんと登った塩見しかなかったり。というわけで相変わらずヒロセさんと登山すると自分の限界を引き出させてくれるのでありがたい。
 さて出発してまず目指すは1500mアップ・コースタイム4時間半の早月小屋。いきなりの急登だけど思った程はアタックザックの重みも辛くなく、ヒロセさんにちょっとだけ先行するいつものペースで歩き始め。が、荷物の重さはともかく暑さには結局最後まで苦しめられることに。早朝に出発したこともあり出発当初はそれなりに涼しめだったけど、さすがに真夏ということで時間による気温上昇が高度上昇による気温低下を上回り、1時間歩いた頃には結構な汗が。まあ確かにアタックザックが重さの割には辛くないというのは重さが体全体に分散されるようになっているからであって、それはつまり体との接触面が大きくなるってことなんだからそりゃ暑くなるわ。

いきなりキツめの傾斜。

ココとか尾瀬では全く珍しくはないけど数年ぶりに見たイワイチョウ。早月尾根ルートは標高800mからテンポ良く上がっていくので高山植物の植生の変化がよく観察できて植物班的には大変グッド。あとウメバチソウの名前が思い出せず唸ってたらオバサンにドヤ顔で教えられるという辱めを受けた。

ムシトリスミレ(葉っぱの黒いのは捕食されている虫)。こんなにキレイに咲いてるのは初めて見た。八ヶ岳では森林限界超えたとこに咲いてたけど樹林帯にも咲くのか。
 てなわけで暑さにひいこらいいながら早月尾根に到着。2.5L用意した水も足りるか微妙というところになったので、ここで早くもペットボトルのポカリ500mLを購入。位置エネルギーは350円也(つまり500円)。水場がない山小屋ということで真水が500mL400円・2L800円とかなり高めだったのでどうせならと贅沢。

早月小屋。何はともあれ水場がない。
 さて早月尾根を越えると森林限界を突破して高山礫地の登山道に。暑い!剱岳らしい岩場の急登やクサリ場もお目見えし、早月尾根までで既に結構体力を消耗してたのもあり一気にスローペースに。アタックザックの重さと暑さにゲンナリしながらどうにか歩いて頂上へ。結局早月までコースタイムの2/3くらいのペースだったのが早月〜剱岳頂上までではほとんどコースタイムと同じくらいのタイムになってしまった。

雪渓も結構残ってる。

タカネマツムシソウ。低山型のマツムシソウを乗鞍の麓の林道で見たことがあるだけでこちらを見るのは初めて。

剱岳といえばクサリ場。
 剱岳頂上は室堂方面からの登山客でたくさんの人が。ちなみに室堂ルートの方が早月尾根ルートより楽とはいえこちらもコースタイム往復9時間半とそれなりにキツめで、基本的にはどこかで一泊する客が多い模様。生物部時代は先輩3人+顧問1人が日帰りピストンに挑んで6時になっても帰って来ず*1、テントの中で「コレ絶対誰か事故って死んだんじゃね?」「誰が死んだと思う?」「たぶん顧問でしょ」とか死者ありが前提で話が盛り上がったのが思い出されます。結局みんな生きて帰ってきたけど顧問がへばったというのが正解だったっけ。

頂上より。
 さて頂上でしばらく休んで後は室堂の手前の剱沢キャンプ場まで下るだけ……と一筋縄ではいかないのが剱岳剱岳の南側には前剱・一服剱と2つのピークがあり、そのどれもがそれなりの急登を含んでおり下山するにしても結構な登りが必要なのがなかなかエグい。

下山ルート(直登)とか死ぬほどシュールだけどこの時点で相当疲れてるので笑えない。
 おまけにこのルートは人がメッチャ多い割に例によってクサリ場が多く、剱岳名物の渋滞に見事に引っ掛かることに。自分のペースで進めずにイライラが募るだけでなく、この時点で割と水のストックがピンチだったので直射日光の下で順番待ちをするのは肉体的にもツラい!今はメインルートになってない怪しいガレ場とかで無理矢理ショートカットしたりしてどうにか進んだり。ヒロセさんに変なルート歩かせて申し訳ない。ていうか最後の最後でホントに水が尽きて少し貰ったりとヒロセさんには相変わらずお世話になりっ放しでした。

クサリ場で大渋滞。

遥か先にキャンプ場が。
 というわけで最後は水不足でヘロヘロになりながらどうにか剣山荘に到着。今日宿泊する剱沢キャンプ場はまだ30分先だけど、いろいろキツイのでとりあえずココの山小屋で休憩することに。こういう山小屋はペットボトル500mが500円だったりする割にレトルトカレーは大抵飲み水1杯付きで1000円というのが普通なので、単純に水目当てでカレーを注文。あー生き返る。マジで高山で食べるカレーは異次元のうまさ。どうにか体力も若干回復したので最後の力を振り絞って剱沢キャンプ場まで歩いて本日の行程が終了。

キャンプ場に到着。疲れた!
 キャンプ場は水場とトイレがコンパクトにまとまっててなかなか快適。標高2500くらいのキャンプ場で水がドバドバ垂れ流しになってるってなかなか珍しい気がする。雪解け水バンザイ。塩素で消毒してるらしいので飲用するにも安心。ついでに面白いことに派出所なんてのもある。んで夕飯にヒロセさんの持ってきた美味しそうな雑炊なんかを横目で眺めつついつものチキンラーメンを食って就寝。
 さてさて僕はテントや山小屋では死ぬほど寝つきが悪く、深夜に目が覚めるとどうせ眠れないので今回もテントの外に出て星を観察。今までずっと持って来ようと思いつつ忘れてたけど今度こそ星座早見盤忘れずに買ってきたよ!自分の視力と眼鏡じゃ結局そんなに見えないんだけど、それでも夏の大三角とかはくちょう座ペガスス座・カシオペヤ座・みずがめ座あたりは判別できました。あと確かにアンドロメダ座とかペルセウス座あたりの方に流れ星が多い。大抵山で星を眺めてると流れ星は観察できるけど、さすがに流星群のちょうどピークだけあってなかなかの数が多い。

*1:山では3時くらいには行動を終えるのが基本で6時は深夜に近い