4時半ごろ起きたので目覚ましがてら御来光を拝んでみる。

なんとなく惰性で山小屋の外で見たけどよく考えたらわざわざ寒い思いしないでも小屋の窓から見られたという。
5時半に朝飯を食ってのんびり準備して6時半に出発。この日は横岳・硫黄岳・天狗岳を通って黒百合ヒュッテまで向かうコースタイム6時間のルート。割と時間的に余裕があるので高山植物を探しながらゆっくり歩きました。
 横岳付近は期待に違わずかなり高山植物が豊富で、八ヶ岳固有種のヒナリンドウを見つけてテンション上昇。

ヒナリンドウ。やたら地味だけど固有種。もう少し見栄えがするのを撮りたかったけどこの1輪しか見つからなかった。
 さて固有種を見つけて上機嫌になってるところで今度は何やら不思議な質感の葉を発見。これは花期終わってるけど間違いなくムシトリスミレ!いやー以前から一度見てみたいと思ってたんですよね。なんとなく湿っぽい場所に生えるのかとイメージしてたので、こんなふうに岩肌に張り付いてたのは意外。

ムシトリスミレ。ハエトリソウみたいなのと違って葉が閉じたりするわけではなく、粘液で捕らえてそのまま消化する(写真の黒いのは小さなハエとか)。葉を触ってみたけどそれほどはベタつかなかった。

硫黄岳より下界を望む
 硫黄岳を過ぎると植物の種類がけっこう減ってくると共に本格的な下り道になり、昨日の登りのハイペースから一転かなりのスローペースに。うーんやはり去年の大雪山もそうだったけど歳とると下りがキツい。これといった花もないので黙々と下っていくも結局コースタイムと同程度のスピードしか出ませんでした。
 硫黄岳から1時間ちょい歩いたところにある根石小屋で昼食。僕は場所代がてらカレーを注文し、bobは自前のガスでインスタントラーメン。やっぱ山で食うカレーは(レトルトだけど)うまい。けど、それ以上にラーメンの汁もうまいので、その為だけでもガス缶持ってくる価値はあるな。
 さて昼食も食い終わり食器を返す時のこと。bobの湯飲みに水が少し余ってたので「勿体無いなあ。山なんだから残さず飲めよ」と一気にあおったところ、なんだかとんでもない味がする。具体的にはリンの味。どうやら余ったお茶ではなく、マッチの火を消すのに使った水らしい。なんちゅうもんを飲ませてくれたんや・・・!気持ち悪い。大部分は吐き出したけどちょっと飲んじゃったよ!
 山の貴重な水でうがいを繰り返し、どうにか口のなかのリン臭を消したところで出発。東天狗岳まではかなり登り易い道で、道に迷いそうにもないのでbobを置いて一気に頂上へ。12年ぶりの東天狗だけど案の定ほとんど何も覚えてませんでした。
 東天狗はほとんど何も覚えてなかったけど、天狗岳については唯一明確に覚えているものがあって、それは東天狗から20分ほど歩いた先にある西天狗に咲いていたオニクという高山植物。オニクはミヤマハンノキに寄生する細長チンコみたいな高山植物で、過去には12年前でココで見たのと8年前に北岳で見たことがあるのみ。まあ元々群生するような植物ではないし大した期待はしていなかったんですが、12年前と同じ場所を探しているもやはり見つからず。やはり世の中そう甘くないか。次にオニク拝めるのは何年後になるやら。
 天狗岳より先はひたすら12年前に通った道を降りるのみ。「中1の時はメチャメチャしんどかったけど今ならさぞかし楽だろうなあ」とか思っていたら大間違い。大きい岩が連続するかなり歩きにくい道が続いて足への負担がキツい。これは下りに関しては中1の時のほうがたぶん3倍くらい楽だったっぽい。それにしても登るとしたらかなりしんどそうな道なので、よくこんな道を頑張って登ったなあとしみじみ。
 目的地の黒百合ヒュッテには1時半頃到着。ここは僕の2年前の地図だと水場マークがあり、bobの今年の地図だと無いんですが、どうやら今は本当に水が枯れて水場は無いらしい(でも宿泊者は無料で飲料水を貰える)。これも異常気象かなんかだろうか。鳳凰三山登った時に遭難しかけた教訓を生かして最新の地図で同じ道があることは確認してたんだけど、さすがに水場の有無の変化までは確認してなかったなあ。