ツールドにし阿波本番byママチャリ

 というわけで1年間待ちに待ったイベントであり先々週に試走してきたツールドにし阿波に物工のHと計数のTと出てきました。自分が引いたルートラボのデータでは164km3555mアップ。チャリの構成としては、イオンの18000円の内装3段ママチャリで事前にキャリアを外してあったものからシートポストを若干長いものに交換。試走で前輪がパンクしたので念のため1段階高い4000円のタイヤに交換してやや重量増、ついでに若干邪道だけど姑息に後輪のロックを外して200g強の軽量化。ライトを電池式に交換しようかとも思ったけど大して軽くなるわけでもないのでそのままにして推定車重18kg強。心拍計(8000円)とあと整備の工賃替わりに阿波池田のチャリ屋で買ったスピードメーター(無線式4000円)が付いているのでそれだけでチャリ本体の値段に近い。300円ショップで買った保冷バッグに饅頭5個+ポカリ1L+パンク修理道具その他を詰め込んで荷物2kg弱。出走時体重推定56kg。
 例によって前日はドキドキして眠気が訪れる気配がなく睡眠1時間。布団には延べ7時間くらいは入ってたのでなんとかなると信じる。前日の夕飯が若干遅かったのもあり食欲はあまりないけど前日に半額で買った焼き鳥と肉団子で無理矢理ご飯2杯を詰め込む。スタート地点までは10kmもないけど有難いことに軽トラで送ってくれるというので万全を期してお願いすることに。HとTはCコースということで1時間遅い出走なのでおっちゃんと二人で吉野川運動公園へ。ママチャリということでさすがに怪訝な目で見てくる人もいるけど、ハンドルに細かいタイムスケジュール表が付いてるのを見て大真面目なのを分かってくれるっぽい。
 出走はエントリー時にネットに張り付いてたおかげで第1グループの10人に入ることができ6時ちょうどの出発。前回は5分前倒ししたみたいなので今年もそうなるようひたすら念じてたけど残念ながら今年は定刻スタートに。スタート地点の吉野川運動公園から国道32号までの数100mは結構な急勾配で、ママチャリのギア比でこういうのを頑張るのは自殺行為なので徐行運転、予想通り他の9人には置いて行かれる展開に。吉野川を渡るまでは信号もあるためその後自然に追いついたものの、残念ながらその9人は集団をガッツリ形成している状態。今回ルールで集団走行は7人までと規定されているため、どうせすぐ2集団に分離するだろうからそしたら混ざろうとしばらく少し離れて追っていたものの、全く分離する気配がないので次に来た集団に混ざればいいやとさよならして休むことに。
 しばらくするとガチ勢っぽい3人が追い抜いていくもこれは全くペースが合わないので普通にスルー、その後に単独で来た人が丁度いいペースだったので後ろに便乗することに。が、その後7人の少し速い集団がやってきた時にその人は乗車していってしまい、例によって定員オーバーで乗れず再び単独走に。その後も丁度いい感じのペースの集団が何度も抜いて行ったけど、どれも満員どころか自分が入らなくても定員オーバーの状態なのでいろいろ察しつつ半ば意地で単独走を続行。追い抜いて行く際に「ママチャリ頑張れ」と応援してくれ人がちらほらいるのは嬉しいけど、それが集団の8番目とかだったりすると苦笑い。とはいえこっちも集団の人数を数えたりして若干フラつく場面があったりしたのでそちらは反省。チェックポイントまでの最後の5kmくらいでようやく6人の集団がいたのでしばらく便乗して若干のタイム短縮。というわけで豊永の第1チェックポイントまで32.5km73分ほど。余裕があるタイムとは言い難いのでチェックを済ませたら休憩はとらず即座に出発。
 次の京柱峠のチェックポイントまでは18km930mアップの登り。ママチャリがロードバイクと一番どうにか勝負になるのは緩やかな登りということで、元々は豊永までで抜かれて京柱で抜き返すという算段だったのが、どうも抜ける気配がないというか明らかに試走の時とペースが全然変わらないし心拍も上がらない。試走の時はこの時点で既に雲辺寺を済ませていたので、今回最初の峠の段階でこのペースというのは相当危機的。そして左膝の裏の上あたりが攣りそう。ヒルクライムで足が攣るというのは長らくなかったので錯乱。豊永までそんなに飛ばしたつもりはないけどペース配分マズかっただろうかとか色々考えて頭がぐるぐるする。この段階で攣ったりすると絶望的なので意を決して一旦チャリを降りてマッサージ、その後も攣らないように注意しつつ登って急勾配の箇所2か所くらいはランで済ませて第2チェックポイントまで81分。雲辺寺終わってないのに試走の時から3分しか縮んでなくて大分やばい。道中結構暑くて既にポカリ1Lを飲みきってしまっていたのでスポーツドリンクをカップ3杯頂きつつバナナを2切れ前カゴのバッグに突っ込んで再出発。
 京柱峠からの下りは試走の時は荒れ放題だったのが徹底的に掃除されていて圧倒的走り易さ。ただ若干チャリが詰まり気味で道幅と見渡し的に抜くのも無理そうだったので細かくブレーキをかけながらの進行に。ママチャリはブレーキがすぐ過熱する一方で姿勢を起こせばすぐ終端速度に達するので、下り道は細かくブレーキをかけるよりもある程度スピードを出して空気抵抗をメインのブレーキ源にして要所要所でブレーキをかけたほうが安全だったり。なので前が詰まってる時はしばらく止まってスペースが空くのを待ってから再度下るというパターンが普段は多いものの、今回はそうすると後ろからまたチャリが来そうなのと少しでもタイムが惜しいということでイベント終了後ブレーキがオシャカになってもいいという覚悟でそのまま後ろについていく進行に。
 下った先の栃之瀬エイドステーションではいろいろ美味しそうな食べ物があったものの、この先の落合峠が全く楽観できないので手っ取り早くカロリーになりそうなアンドーナツを2個バッグに突っ込んで水を補給するのみ。そして攣りそうな脚が下っている間もイマイチ回復してる感じがしないということで原因としてサドル高が高過ぎるのではという仮説が思い当たり、とりあえずSPD-SLでローラー乗る時と同じく足の指の根本で踏むための高さから試走の時と同じく土踏まずでベッタリ踏むのに丁度いい高さまで落としてから出発。この時点でほぼ9時ちょうどということで残り7時間。
 おっかなびっくりで落合峠の分岐までの平坦路を走ってみると明らかにそれまでより漕ぎやすい。試走の時は単にシートポストの長さが足りなかったからこのポジションだったけど自分にはコレが一番の模様。土踏まずでベッタリ踏むのはダメなポジションと教わった気がするけどそれってビンディング専用の話なんだろうか。大分希望が湧いてきたところで落合峠の分岐に到着、売店ポンジュース1L440kcalを買って中ボス落合峠へ。
 サドル高が適正になったおかげで落合峠は明らかに京柱峠よりは走り易い。しかし京柱峠で攣りそうになった脚が全快したわけではないので無理はせず可能な範囲で。単に攣りそうというだけで筋力的には余裕があり心臓的にもキツくないので、攣る危険性を感じる急勾配の箇所はやっぱり押してそれ以外を極力踏むペース配分。ただし試走時は(落合峠が最後の峠ということで体力的に限界だったのもあって)ほぼ押し歩きだったのに対して、今回押した箇所はドーナツ食べたり水飲んだりと休憩を兼ねていた部分を除いて全てランで7km/hくらいは出して突破。むしろ終盤は他のロードに対してランの部分で差を詰めて乗ってる部分で差を広げられるというパターンが多かったり。足が攣りそうになって2分ほど停止してマッサージしたのを含めて落合峠の分岐から第4チェックポイントまで81分。頂上まではたぶん83分くらい相当。こないだの試走が98分、去年ほぼサラ脚でトロトロ蛇行しつつ登った時も86分だったことを考えるとラン強し。
 落合峠はお茶2杯・デニッシュ1個・バナナ2切れ補給しつつマッサージして小休止。落合峠の頂上はトイレあるけど少しだけ階段歩くのが面倒だなあと思ってたらそれとは別に仮設トイレが用意してあって神。このあたりでようやく完走できそうな希望が湧いてくる。とはいえ平坦部の風次第なのと雲辺寺の登りを全押しする可能性も残っているので余裕とは程遠い状況。
 落合峠の下りは京柱峠と同じく完璧に清掃されていて、今度は前も詰まっていないので最高に気分がいい。桟敷峠でジュースを貰う時についに足が攣ったけど、幸いにも非常に軽度の攣りでタイムロスはほぼなし。桟敷峠はガリガリ君の補給があるとだけ聞いていてそれは単にスルーする予定だったのでジュースが貰えたのは大変ありがたい。
 第5チェックポイントのぶぶるパークみかもまで下ってみると風はほとんど吹いておらず、この先たぶんゴールできるのではという気分に。エイドもどれも美味しそうだったのでまとまった休憩をとることに。雑炊とそうめんを両方頂いてポカリを買って計5分くらい休息。雑炊とかはアツアツだったら時間かかるなあとか思ってたら丁度いい温かさで心遣いが素晴らしい。ツユの塩分が体に染み渡る。エイドを出発したところでチャイムが鳴って12時ちょうどということで残り4時間。
 平坦路はほぼ無風ということで試走に比べてタイムも短縮できて脚も休まるというボーナスステージ状態。残念ながらペースの合う人がおらずほぼ単独走で試走に比べて信号待ちも多かったけど、やはり無風というのは圧倒的に大きく西山前最後のコンビニのローソンまで28km66分ほどで到着。思ったより暑くて三加茂で買ったポカリが既に残ってなかったのでオレンジジュース200mlとポカリ1本とクリーム菓子を1個購入。ペットボトルコーナーでポカリだけほとんど残ってなくて笑った。ローソンから出るといつの間にか向かい風が強くなってたけど、登りで影響するほどの強さではなかったので運とタイミングが良かった。というわけでラスボスの西山から雲辺寺の登りへ。
 この辺はもういろいろ無理なので全押しを覚悟してたけど、平坦路である程度回復してたおかげで多少は乗れる。とはいえランで押す気力は最早残っておらず自転車を降りた箇所はほぼ全て歩き。途中の集落で見物してるちびっこが「ねえ一人だけ自転車乗ってない人がいるよ〜」と無邪気に声を上げたりして涙目。最後のチェックポイントに(押して)到達したところでようやく勝利を確信。Cコースとの分岐から通称北海道まで確か85分くらい(最早完走のことしか考えてなかったので記憶が希薄)。残りの登りを最後の気力を振り絞って(ほとんど押して)突破したら恍惚のウイニングランへ。雲辺寺の下りは全体的に京柱や落合に比べて舗装も視界もよく、おまけに例に漏れずにし阿波当日は入念に清掃されているのでスピードが上げやすくて最高に気持ちいい。西山から雲辺寺の登りはコース図を見る度に「単にキツくするためにとりあえず山を1本増やしましたって感じで投げやりなコースだな」って思ってたけど、確かにこのウイニングランの気持ち良さを考えると完全に理に適ってる。最後に池田大橋を渡ったところでABコースの人々と合流してフィニッシュ。9時間5分。うち信号待ち含め休憩時間30分くらい。
 ステッカーの着順は50番台だけど、単に一番早い出走順だったのとエイドでの休憩時間がかなり短かったというだけで速く走ったという感じは全くなく道中はほぼひたすら抜かれるのみ。そんなわけで終始「これは大分遅いペースなのでは」と不安が尽きなかったけどどうにか完走できて本当に良かった!Cコースで出走したHとTのうちHは完走、Tは落合峠をみくびった結果ハンガーノックで行動不能になり回収ということで補給の大切さを痛感。SSコースの時間帯ではエイドはどれも快適だったけど、Cコースでの栃之瀬エイドは出走時刻とコースの関係でBコースとほぼ同時に到着することになり大混雑だったらしいので、フルにエイドを堪能するならSSコースがよさそう。とはいえ今回みたいにギリギリの体力だとやっぱりエイドを堪能する余裕がないので次回以降出るとしたら大人しくCコースで行列に並ぶかブリジストンの車体もギア比も軽いママチャリでまったりSSを走りたい。結局試走も本番もほぼ単独走だったのに本番は30分くらいタイムが縮まったというのは風が穏やかだったというのもあるけど間違いなく素晴らしい路面とエイドを準備してくれたスタッフのおかげという部分が大きいので大感謝。レースでないロングライドイベントは初めてだったのでいろいろ不安な部分もあったけど本当に楽しいイベントでした。お疲れ様でした。

軽量化のためカメラどころか携帯すら持ってなかったので何も写真撮ってないけどゴール後の一枚。