山小屋での気持ちのいい朝。3時半ごろ起床してテントに向かうも誰も起きていない。食事当番も。鳳凰三山組は4時半発予定なのにということで寝てる人達を起こし、外にある木の長いすに寝っ転がってしばらくぼんやり。星がまだよく見えます。カシオペヤ座を見つけたので中学受験時代を必死に思い出して北極星を探してみたり。線をどっち方向に延長するのかが思い出せませんでした。
食事当番が相変わらず起きてこないので待ってたら大幅に遅れるということで鳳凰三山組は朝食ラーメンに急遽変更するもラーメンがもう余ってないらしく僕も私物ラーメンを差し出しました。うーん我ながら今回は部に尽くしてるなあいい先輩気取りました。
鳳凰三山組は5時前になんとか出発。15分くらい一緒に歩いて見送った後山小屋に戻って片付けを済ませて後輩達と雑談。海水魚古今東西とかやりましたがもう全然勝てません。次にアニメの名前古今東西が始まったので、僕は世界名作劇場や昔のジャンプアニメとかで対抗しましたが、すぐネタが尽き困って職員室のH師の机を思い浮かべたところフルーツバスケットとか3つくらいは新たに出てきました。
6時半ごろ出発、バスで懐かしの北沢峠へ。6年前のキャンプ地を通って登山道へ入ります。目指すは栗沢山。3年前に途中の道でしたウンコはさすがにもう分解されているでしょう。まあぶっちゃけ栗沢・アサヨ・甲斐駒ケ岳側の山ってのはどれも高山植物は大したことなくてあんま期待してなかったんですがこれが意外や意外、コイチヨウランとかアリドオシランとか地味目の小さなランがちらほら見つかりました。つまりは「植物観察にも体力は必要」ということですね。体力がよりついた今だからこそより一層周りを余裕を持って眺めることが出来るために今回新たにいろいろな目立たない花を見つけることができたわけです。今回は半分の時間くらいしか前を見てなかったくらいだからなあ。
しかし森林限界を超えればさすがにハゲ山。面白い花は数えるくらいしかなく頂上現象に悩まされながらも一気に制覇しました。
ここから本隊はひたすら尾根を通ってキャンプ場まで歩いて戻るのですが、僕は思うところがあるのでバテた後輩および高所恐怖症の後輩一人ずつを連れてまた北沢峠へと下山しました。同じ道を戻るのはさすがに面白くないので30分余分にかかる仙水峠を通るルートを通ったんですが途中仙水小屋で鼻血が出てびっくり。でも人が来る気配を感じたら一瞬で反応して鼻のティッシュを外したので恥ずかしい思いはせずにすみました。
北沢峠で後輩2人にバスで勝手にキャンプ場まで帰るように言ってやっと本日のメインの道へ。といっても舗装済道路なんですが。行きにバスで30分強かかった道をひたすら歩くのです。コースタイムは3時間ほど。ここは3年前も6年前もたった一人でひたすら歩いて植物観察をしたという本当に思い出深い道なのです。意外にいろんな花が咲いているのもさることながら、注目しているのが自分だけの「自分だけの道」というのが大好きなのです。ここに人知れず咲いているウスユキソウトダイハハコはまさに「僕だけの花」。さらに今回は多少の予習を生かして他のいくつかの野草も判別することができ充実した時間となりました。あと以前はなんとなく怖くて手が出せなかった木苺も今回は摘みまくり片っ端から食いました。種が苦いけど果肉はなかなかの美味でした。
しかし疲労はたまります。ここを歩く前にひと山越えてるわけだし。そして追い討ちをかける突然のどしゃ降り。雨具は付けてましたが結構濡れてしまいました。
雨の中急いでキャンプ場に戻るとなんと既に鳳凰三山組が戻っている!おまけに彼らは三山全て制覇し、おまけに去年僕とS原がヒヨって諦めたオベリスクの最後の岩も登りきったらしい。すげえ・・・コースタイム16時間をほぼ半分の9時間。やっぱ若さってすごいなあもう僕は登山道走るなんて出来ません。登りは以前より体力がついたぶん今の方が楽ですが、駆けるように(というか実際走って)下るというのは若さの特権ですね。よく頑張った!
しばらく待ってると雨はあがり、水浴びをして荷物をまとめて部員達に別れを告げて僕は広河原をあとにしました。ホントに楽しかった・・・心底来て良かったと思いました。