読書感想文

 「十代のための新名作 きみが見つける物語 切ない話編」読み終わった。志賀直哉はテキストは心地いいけど「店S」とか「Y夫人」とか「議員S」とかがなんか萎える。「太郎」でも「先生」なんでもいいから名前欲しい。で萩原浩「お母さまのロシアのスープ」がなかなか面白かった。以下盛大なネタバレ含む感想
いわゆる叙述トリック?的な話で、「人物Aは本当は性質Bを持ってるんだけど、それが読者には性質Bではなく性質Cを持っているかのように誤解を招くよう描かれている」的な話。で、この話で面白いのは人物Aは「性質B=性質C」との誤った認識を「本で得た知識から」抱いてるという点で、「確かに読者が性質Bの人を見て性質Cだと勝手に解釈してたんだから、性質Bを持つ人物Aが性質Cの描写を見て性質Bのことだと誤解するのも有り得るな」というふうに誤認というプロセスが作中の人物に対しても還元されているのが良かった。