ベイグラントストーリー

終わりました。まーなんというかいろいろと惜しいゲームでした。まずグラフィックと演出は文句なし。荒いドット?とポリゴンなのに吉田明彦の絵の雰囲気がよく出てて、アクションもすごく格好いい。
BGMもゲームによく合ってる。ほとんどの曲が特定のメロディラインを持たない「BGM」で(そしてメロディがある曲も崎元仁の性ということでほとんど同じやつの使い回し)、これらはサントラで単品で聴いても全く面白くはないんですが、ゲーム内で流れるぶんには演出としてうまく機能してる。それとマップの各所にある倉庫番みたいなパズルゲームもなかなか頭を使って楽しめました。
一方戦闘システムのほうは「調整不足」という印象を受けました。以下システム的なネタバレは多少あり。
・敵にダメージを与える方法が理不尽
どの敵キャラにも弱点が存在して、それを突かないとほとんどダメージを与えられないっていうのは別にいいんですが、その属性の種類が膨大で(斬/突/打、水/火/風/土/・・・、人/獣/竜/・・・)、しかもこの手のゲームには珍しくボスの弱点が分からない(推測すらできないのも結構ある)、そして最も致命的なのが装備の変更とかの操作の使い勝手が非常に悪い&遅いということ。明らかにトライアンドエラーを推奨するシステムなのにこれはいかがなものか。しかもPSの性能的な問題じゃなくて、カッコ良さ・雰囲気を演出するためにワザと重くしてる感じ。また一方で、死ぬほど硬い相手でも攻撃が命中さえすれば5くらいのダメージは与えられる&ボスの最大HPがあんまりインフレしない(数百くらい)っつーことでひたすら殴り続けてても倒せてしまう、そして防御力無視で使い勝手のいい攻撃もたくさんあるのでこっち使ってもOK、ということで結局のところ開発者はどう攻略させたかったんだろうなあ、という印象を受けてしまいました。
・死ぬ要因が理不尽
回復アイテムは(売ってないけど)大量に手に入るしHPは自動回復するから大体の戦闘でピンチになることはないんだけど、かといって死ぬことがないかといったら全然そんなことなくて、盾を装備してないとHP満タンでも死ぬ攻撃とか即死魔法とか分からん殺しが多すぎる。まじ覚えゲー。「ざんねん! わたしの ぼうけんは ここで おわってしまった!」ってのと大差ない。
まあそんなわけでこのゲームの感想を一言で言えば「雰囲気を味わうゲーム」でした。特に(FFTと全く同じだけど)スタッフロールの壁画調の吉田明彦の絵+崎本仁の曲の組み合わせは最高。ちなみに僕がゲーム音楽のうちで一番好きな曲はコレ。微妙な戦闘システムに開始3時間くらい耐えられたなら松野泰己の世界観を味わうためにやってもいいかも?表面的なシステムは確かに言われてるようにブレスオブファイア5とかなり似てるけど調整次第でこんなに変わるんだなあ、ということを感じました。