ゲームの話

結構間が空いてしまいましたがブレスオブファイア5の話を。ネタバレはありません。
このゲームの醍醐味は何と言ってもとにかく「先が見えないなかで主人公が少しずつ追い詰められていくのをプレイヤーが実感できる」という点です。そのための核となっているのがD-カウンターというもの。これは制限時間タイマーのようなもので、歩いたりするだけでこの値が少しずつ上昇していき、100%になると即座にゲームオーバーになります。さらに主人公はドラゴンに変身する特殊能力をもち、変身を行えばどんなキツいボスも瞬殺できる一方でこのD-カウンターも素敵な速度で上昇していくことになります。
さらに上記の醍醐味を達成すべくD-カウンター以外にもかなり独特の調整がされています。セーブには非売品のアイテムが必要であり、セーブポイントの数も少なめで安易なセーブ&ロードはできないようになっています。さらにこのゲームには宿屋も回復魔法も存在せず、回復はアイテムに頼るしかないうえにその回復アイテムが安くありません。回復アイテムが底をついて序盤なのにFFでいうエクスポーションを使わざるをえなくなったりということがザラにあります。さらに一度倒した敵は復活しないのでレベル上げすらままなりません。
このようにゲーム性が非常にシビアな一方で、追い詰められていくのが「少しずつ」となるような調整も効いています。セーブポイントが限られているだけに「突発的な全滅」は一気にモチベが下がる要因となりますが、このゲームでは即死級の強力な広範囲攻撃を行ってくる敵はほとんどおらず、さらに1ターン中に何度でも回復アイテムが使えるため、そのような「突発的な全滅」はほとんど起こり得ません。つまりは「全滅=回復アイテムが尽きる」ということになり、追い詰められた状態でのギブアップするか否かの判断をギリギリまで楽しむことができます(ギブアップしたり全滅したりすると再プレイ時に装備品等を持ち越せる。全滅するより自分からギブアップした方が持ち越せる物が多い)。またD-カウンターを消費してドラゴンにさえ変身してしまえば自分のターンのまま攻撃し続けることも可能なので、ボスがどんなにキツくても(カウンターが残っている限りは)とりあえず凌いで先に進むことができます。
そんなわけでこのゲームではあとどれくらいボス戦が残っているか分からないなかでD-カウンター残量との兼ね合いを終始楽しむことができ、緊張感があるプレイができます。シミュレーションRPGのゲームとしてはやや詰めが甘い部分もありますが、それ以上にこのゲームは「物語を最後まで生き抜く」ということがメインとなっているのであまり問題ありません。また難易度は比較的高めとは思われますが、戦闘に関しては説明書しか読んでないプレイヤーにとっても未知の情報はそれほど多くなく、「考えて工夫すればなんとかなる」という楽しさもあります。どうせ1シナリオ20時間程度の短いゲームですしどうせ中古で400円だし是非多くの人にプレイしてほしいと思います。